そろそろ新年度のことを考える人が多いのか、以下のアクセスが伸びています。
調べてみると、芸能マネージャーの実体験エピソードって
かなり少ないんですよね。
そこで、マネージャーになりたい!という方のために、
私の実体験をお話したいと思います。
あくまでも私が体験したケースにすぎないので、
全てがそうとは限りませんが、ご参考になれば。
ちなみに私が担当していたタレントは、
韓国人複数人の男性アイドルでした。(名前は公表しません。)
日本のアイドルやタレントのマネージャーとは違うかもしれませんので、
予めご了承くださいませ。
マネージャーの実際の生活
「マネージャー」と聞いて、みなさんがイメージするのは、
タレントの横について、スケジュール管理をしたり、撮影に同行したり…
という姿が多いのではないでしょうか。
私はちょっと特殊なケースかもしれませんが、
マネージャー、ヘアメイク、翻訳、通訳・・・
全部やっていました。
人がいなかったこともあるし、
予算が無かったのも大いにあったと思います。
(人雇うならそれくらいの予算は考えろよ、とも思いますが、
ここではその話は割愛ということで←)
今考えてもありえないくらいの仕事量でしたが、
本当に「息つく暇もなく」働いていました。
が、ブラック職場(美容室)で働いていた私は、
前のブラック職場が酷すぎて、
「こんなものか」とも思っていました←
ブラック会社での話は下のリンクからどうぞ。
私が過ごしたツアー中のとある一日をタイムスケジュール風にして、
ご紹介したいと思います。
しかし、私が働いた期間は日本デビューしたての、
超絶賛売り出し期だったので、輪をかけて忙しかったんだと思います。
が、まぁ、何かの参考になれば。
とある日のスケジュール
- 07:00ホテルにて起床・準備・簡単に朝食
- 08:00メンバーを起こす
なかなか起きないメンバーたちだったので、何度も起こしに行き、
部屋から追い出した後は、部屋に忘れ物が無いかのチェックも必ずします。 - 09:00ホテル出発
メンバー、スタッフの人数を確認し、移動車に乗せます。
- 10:00会場到着・スケジュール確認
会場到着後は楽屋に案内されるので、
そこで一日のスケジュールを確認します。
この時は絶賛売り出し期間だったので、
かなりギチギチに詰まったスケジュールでした。 - 10:30台本・進行表 読み合わせ
ツアーとなると基本的な流れは同じですが、
冒頭あいさつや、中間のMCなどは日替わりだったりするので、
その日に応じた内容で打ち合わせを行います。 - 11:00公演リハーサル スタート
ツアーの序盤は変更点なども多いため、通しで確認することも多いです。
客席登場など、会場ごとに動線が違う演出は入念に確認を行います。 - 13:00公演リハーサル 終了・昼食
ほぼ食べる時間なしですが、とりあえずお腹にたまるものを中心に食事をとります。雑誌社からの記事内容確認をしながら食事をとることもありました。
- 14:00公演後ファンサービス打ち合わせ
食事が終わったら、公演が終わった後のファンサービスの流れなどを確認します。
- 14:30ヘアメイク
ヘアからセットするメンバー、メイクからするメンバーで別れて、最短時間でヘアメイクが終了するように行います。
- 15:00衣装セッティング
ヘアメイクを行っている間、スタイリストは当日の衣装を着用順に並べ、セッティングを行います。
- 17:00日本語挨拶 発音指導
日本語の挨拶がよりナチュラルにできるように、公演ごとに練習をしていました。
- 18:00公演スタート
ライブ中は言葉通り「戦争」です。激しいダンスのある曲などは、メイク崩れなどもあるので、その直しなどもしつつタイムキーパーからの指示をインカムで聞きつつメンバーをステージに送り出し…本当に記憶が無くなるくらいに大忙しです。
- 20:00公演終了・終了後ファンサービス
- 21:00公演終了後 雑誌インタビュー対応
ファンサービスが終わるのを待っていた雑誌社のインタビューを会場で受け、その通訳としてメンバーと記者の方の間に入ります。
- 22:00会場出発・打ち上げ兼食事
インタビューが終了したら、夕食会場に向かいます。
- 24:00ホテル到着・解散
- 25:00次の日のスケジュール確認・打ち合わせ・動線確認
メンバーやその他スタッフと別れた後、次の日のスケジュールなどを確認し、リマインドの連絡を行ったりします。
- 26:00就寝
深夜2時。ようやく就寝。
見てわかると思いますが、
自分の時間はほとんどありません。
唯一休めると言えば、
公演中でタレントが舞台に立っている時間ぐらい。
この時は、こんな生活がまるっと1ヶ月続き、
過労死するかと思いました…。
それでも毎日、文化祭してるみたいで、
とっても楽しかったし、
メンバーも周りのスタッフたちにも(一部を除き)
本当に恵まれて、楽しい時間を過ごせたように思います。
良かったこと・楽しかったこと
韓国での留学を終えてすぐにこの仕事をした私は、
韓国語を勉強していたモチベーションのまま、
若い世代の韓国語と、年配の方の韓国語、ビジネス韓国語を勉強できたことは、
今でもかなり力になっていると思います。
また、韓国人チームに日本人は私一人だったので、
韓国文化や生活習慣についても身を以て体験することができたのは、
今の仕事にも活きてきています。
あと、個人的に楽しかった(?)ことは、
「関係者以外立ち入り禁止」エリアにスタッフパスで入れたこと。
いや、スタッフなので当たり前なのですがね(笑)
入口でパスを確認してる人に止められない優越感というか…
それが私のやりがいに繋がっていました(笑)
大変だったこと
とにかく自分の時間が無いのと、
ゆっくり休める時間がなかったことは、辛かったです。
また、男性アイドルのマネージャーだったので、
女性ファンから言われる悪口やらネットでの悪口なども、
結構精神的にキツかったです。(笑)
給料はどのくらい?
1ヶ月の給料が、10万円前後でした。
研修期間ということもあり、この金額だったようですが、
その後の給料も大きく変わることはなさそうだったので、
この仕事量で、このお金じゃ人間として暮らしていけない!
と思ったこともあり(他の理由もあったけど)、
私はこの仕事を辞めました←
他の会社であれば、ある程度の金額は保証されているのかも知れませんが、
私のいたところでは、10万円前後でした。
でも、毎日ヤドカリのようにホテル暮らしを転々としていたので、
その期間は家賃や食費は掛かりませんでした。
マネージャーになるには?
ここからは、マネージャーになるにはどういった資格が必要なのか、
どのような経験やスキルが必要なのか等をご紹介したいと思います。
免許は必要?→普通車運転免許証は必要
その他の資格もあったほうがいいとは思いますが、
まずは普通車運転免許証は必要だと思います。
でも免許だけあっても車は運転できないので、
ある程度の運転スキルは必要だと思います。
さらに、都内で仕事をするのであれば、
土地勘や都内での運転・駐車に慣れておくと良いと思います。
でも、私の場合は、ペーパードライバーだったことと←、
日本全国各地を移動する時期だったので、
運転手付きの車が各地に手配されていたので、
私自身は運転はしませんでした。
こういうケースもあると思います。
ビジネス韓国語は必須
韓国のタレントのマネージャーをするのであれば、
韓国語の能力や、それを対外的に示せるTOPIKの級(5~6級)は必須でしょう。
韓国の会社とのやりとりも発生するので、
韓国語で電話で話が問題なくできる、ビジネスメールが送れる、
というのは条件になると思います。
業界は違えど、韓国企業での経験があったりするのも有利に働くと思います。
韓国系芸能事務所に入るには「紹介」が多い
マネージャーになるには、まず韓国系の場合は、
「紹介」が多いと思います。
会社の大切なタレントを守るマネージャーなので、信頼も大切。
紹介がメインになるのもわかる気がしますよね。
私も紹介でこの仕事を経験しました。
芸能関係と言われるような人とのつながりは大切なので、
少しでも関係がありそうな集まりや紹介などには、
すべて行くようにしていました。
また、そういった場所では、
機会があれば、自分がマネージャーをしたい、
ということを公言するようにしていました。
少し話が逸れますが、マネージャー経験があると、
他の会社で人が辞めたときなどに紹介を受けることもあります。
私も、今をときめくB●Sがまだここまで大きくなる前に、
マネージャーをやらないかと紹介を受けたことがあります。
あのとき、YESと返答していたら、また違う人生だったかも知れません(笑)
日本の芸能事務所でもほんの少しだけマネージャーとして働きましたが、
そこは普通に会社に就職する流れで、
書類審査→面接をし、面接に合格してから働いたので、
いろいろなケースがあると思います。
多忙なスケジュールに耐える体力とスケジューリング能力は必要不可欠
複数人のタレントで構成されるグループの場合、
Aがドラマの撮影、Bはレコーディング、、、など
タレントによって違うスケジュールが同時進行することもあります。
スケジュールのやりくり(時間管理)を行い、
多忙なスケジュールをそつなくこなし、
商品(タレント)をよく知り先方に売り込む営業話術、
相手の気持ちを理解する配慮心・気遣いは必要不可欠。
そのために行く学校などは特に無いのでは、と思いますが、
芸能界や映画、広告業界に関する情報が多ければ多いほど良いと思います。
まとめ
芸能人と二人三脚をしているということで、
一見、華やかな職業に見えるマネージャー。
しかし、その実態は本当にハードなもので、
生活は不規則そのもの。
長く続けることが非常に難しい職業だとも思います。
そのため、若いうちに経験をしておくと、
その後の人生の判断材料になるのでは、と思います。
また違う視点から、マネージャー業についてご紹介できればと思います。