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【2021年福岡】第76回 尹東柱詩人 追悼式【福岡刑務所で獄死した詩人 ユン・ドンジュ】

すず

<この記事を書いた人>

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✔ 神奈川県出身

✔ 福岡在住10年目(2024年現在)

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韓国の詩人「尹東柱」をご存知ですか?

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尹東柱とは?

서시(序詞)

죽는 날까지 하늘을 우러러
한 점 부끄럼이 없기를,
잎새에 이는 바람에도
나는 괴로워했다.
별을 노래하는 마음으로
모든 죽어가는 것을 사랑해야지
그리고 나한테 주어진 길을
걸어가야겠다.

오늘 밤에도 별이 바람에 스치운다.
息絶える日まで天(そら)を仰ぎ
一点の恥無きことを、
木の葉にそよぐ風にも
わたしは心痛めた。
星を詠うこころで
全ての死に行くものを愛さねば
そして私に与えられた道を
歩み行かねばならない。
今夜も星が風に擦れている。(上野潤 訳)

「尹東柱」はこの詩を書いた詩人で、
韓国では、彼の詩を知らない人はいないくらいに有名な詩人です。
多くの人は大学受験の時に、彼の詩を暗記したりもするようです。
(日本で例えるなら、誰もが暗唱した記憶のある『平家物語』の冒頭の
「祇園精舍の鐘の音〜」のような感じでしょうか。)

さてこの尹東柱という人は、戦時下に日本で多くの時間を過ごしました。

1942年、東京にある立教大学の英文科に通い、
その後、京都にある同志社大学の英文科に編入。

在学中の1943年7月に治安維持法違反の疑いで逮捕され、
懲役2年の刑で福岡刑務所に収監。
そして最期は福岡にある福岡刑務所で獄中死を遂げ、27歳の若さでその生涯を閉じました。
その命日が、1945年2月16日です。(祖国が解放されるわずか半年前のことです。)

尹東柱が大学生活を送った京都には詩碑があり、
現在は立教大学にも詩碑を建立しようという活動もあるようです。

 

また、韓国・ソウルにある延世大学には『尹東柱記念館』も新たにできたとのことで、
立教大学の「尹東柱学生交流会」が作成した動画で、
その中の様子や、尹東柱についてを知ることができます。(音声:韓国語、日本語字幕あり)

私は延世大学の語学堂に通っていたので、
この動画に出てくる大学の雰囲気も懐かしく感じました☺️

尹東柱 詩人 76回忌 追悼式

先日、その尹東柱詩人の追悼式があり、参加させていただきました。
この追悼式は「福岡・尹東柱の詩を読む会」の主催で
毎年盛大に行われている行事とのことでしたが、
今回はコロナの影響もあり、ごくごく少人数で開催されました。
(途中で雨も降ってきたので、本当にサクッと、という感じでした。)

現在、尹東柱が収監されていた福岡刑務所はありませんが(現在は福岡県糟屋郡宇美町に移転)、
跡地であるエリアのこの公園のすぐ後ろには福岡拘置所があり、
公園の向かい側の運動場あたりが尹東柱が収監されていた独房があった場所、ということでした。

この福岡刑務所で獄中死をした尹東柱が、最後になんと叫んで亡くなったのかは、
今でも不明のまま。(この話は、マルモイの記事でも書いています。)

その真相は知る術はありませんが、この地で思いを馳せ、空を見上げると、
「これが尹東柱が最後に見た空なのかなぁ」と感慨深くなります。

福岡拘置所
女性が示している方向が独房があったと言われる場所

追悼式では、献花を行い、参加した人がそれぞれ好きな詩を朗読。
(尹東柱初心者の私は自己紹介のみで参加しました☺️)

献花
駐福岡大韓民国領事館
領事による詩の朗読
九州大学で韓国語を研究していらっしゃる
辻野先生による詩の朗読

 

私は現在、福岡で観光の仕事に携わっていることもあり、
韓国の旅行者の方から「尹東柱ゆかりの場所に行きたい」と
問い合わせをもらったことがきっかけで「尹東柱」という名前を知ることとなり、
韓国人では知らない人はいないほど有名だということを知ったのは、その後のことでした。

 

日本でも尹東柱の詩を愛する方々が多くいらっしゃるようです。
私が初めて尹東柱詩人の詩に触れたのは、
韓国語を勉強するときに使っていたこの本を読んだ時。

この本に「序詩」が載っていたので、うっすらとだけ覚えていましたが、
その詩が尹東柱のものだとは思っていなかったので、
初めて「尹東柱の詩」として「序詩」を聞いた時、
「どこかで聞いたことあるような?」と思っていたところ、
この本に載っていたことを思い出し、二つの点が線で繋がったような気分でした。

 

この本には、「金素月(キム・ソウォル)」の「ジンダルレの花」という有名な詩を始め、韓国人の誰もが知っている詩や小説が掲載されているので、韓国語レベルが中級くらいの方はぜひ読んでみることをお勧めします!文を読んで勉強しながら、韓国文学に触れることができますよ!

 

より多くの尹東柱の詩に触れたいという方は、
以下の本をおすすめします。

 

尹東柱の激動の人生は映画にもなっており、
俳優のカン・ハヌルが主演を演じています。
(残念ながらオンラインでみられるところはまだ無いようです…)

 

韓国人が愛する詩人として、非常に有名な尹東柱。
福岡もそのゆかりの地であることを韓国人の友人などに話をすると、
盛り上がるかもしれません。
 

今日2月16日はその彼の命日。
今後も多くの人に彼の遺した詩が愛されることを願います。

 


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韓国を仕事にするかたわら、ブログを書いています。コロナ前は365日のうち100日くらいは韓国にいたので、そのくらいまで戻したい所存です🙏

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