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映画「リトルフォレスト」を見て憧れた韓国の田舎
映画「リトルフォレスト」はキム・テリが主演の映画で、韓国に向かう飛行機の中で見て以来、すっかりはまってしまいました。
都心(ソウル)での生活に疲れて故郷に戻り、母親と送っていた質素でありながら、些細な幸せを感じていた生活を回想しながら、田舎の家でひとり、自然と共に生きる女性の話しです。日本の映画の韓国リメイク版とのことですが、日本版は見たことがありません。ほぼ、料理映画という感じですが、マッコリ、チヂミ、トック(餅)、干し柿などを手作りするシーンなども出てきて古き良き韓国を感じられる映画です。
この映画がずっと心の中にあり、ある日「リトルフォレストみたいな旅がしたい!」と韓国人の知人に聞いたところ教えてもらったのが、ここ、江原道のアウラジというところでした。
江原道・アウラジとは
アウラジは、江原道・ジョンソン郡にある小さなまちで、そのまち名前の由来は「ふたつの川が”合わさる”(オウロジダ/어울러지다)」という単語で、地図を見ても「ふたつの川が合わさっている」のが分かります。
江原道は、平昌オリンピックで有名になったエリアで、じゃがいもやトウモロコシが有名です。そのため、名物はじゃがいものでんぷんを使ったチヂミや、トウモロコシを使ったおやきのようなチヂミ、トウモロコシで作ったマッコリなどで、ここアウラジにはトウモロコシマッコリの工場がありました!(訪問できなかったことろ今でも後悔しています…😭)
アウラジへのアクセス A-train
ソウル市内からアウラジへはA-trainという観光列車で5時間程度で到着します。
『清涼里(チョンリャンリ)駅』~『アウラジ駅』まで乗り換えなしの直通で到着です。
チケットはKORAILのHPで日本からも日本語HPから購入可能。私もKORAILからチケットを購入(クレジット決済)しました!紅葉シーズンはかなり人気なので、先にチケットを押さえることをオススメします!
さて、このA-Train。
清涼里駅では、KTX、ITXと同じ乗り場から出ます。
他の列車もあるので、乗車時はご注意くださいね!
きっぷの料金は往復55,200ウォン。(片道27,600ウォン)
レートにもよりますが、日本円でいえば6,000円程度でしょうか。
ソウル市内~市街地は早いスピードで走り、紅葉が綺麗な場所はゆっくりとしたスピードで走ってくれます。車窓はかなり大きな窓となっており、座席を倒せば、寝た状態のまま、上にある窓から綺麗な紅葉が広がります。
一番最後の車両は外を見るためのベンチがある車両、中間の車両には飲食ができるテーブル、外が見えるように設置された座席があります。
こんな感じで、パンフレットも配ってくれます。
金土日の2泊3日の日程で向かったので、行きはそこまで人は多くありませんでしたが、日曜の最終便は満席とのことでした。
朝が早かったので、市街地の移動中は爆睡。紅葉の綺麗な渓谷のあたりで周りが騒がしくなったので、目を覚ましました。
絶景!!
絶景過ぎて、一気に眠気が覚めました。
アウラジ駅到着。ここが終点です。
登山服を着た他の乗客は何駅か前に降りた模様。アウラジ駅で降りたのは5人~10人程度でした。改札もなく、ほぼ無人駅といった感じ。駅の横には魚のオブジェ。オルムチ(어름치)という韓国固有の種類の魚で、天然記念物なんだとか。
2日目に立ち寄りましたが、ここは廃車両で作られており、内部はカフェになっています。オーナーが写真好きだとかで綺麗な写真が飾られていて、購入もできます。(1万ウォン~)
アウラジのまちを散策
さて、この日はしとしとと冷たい雨が降る日でした。到着してすぐ、宿に荷物を置きに行きました。道中はこんな感じの小さな畑があったりして、田舎まちの雰囲気です。
アウラジでの宿は『オクサンジャン(옥산장)』です。
宿泊棟とは別に食事処があります。食事処だけの利用も可能。ここで、お昼を食べました。
カムジャジョン(ジャガイモ粉のチヂミ)の定食を頼もうとしたら、2000ウォン違いで
名物の「ドドクグイ(더덕구이/蔓人参の炒め物)」が食べれるし、ご飯は「コンドゥレごはん(곤드레밥/高山地帯に生息する野草で体にいいらしい)」、おかずでカムジャジョンはセットで出るということで、お得なドドクグイ定食を注文。
商売上手なおかあさま←
そして、しばらくしたらいろいろ出てきました!
さすがジャガイモ王国 江原道。おかずもジャガイモの煮物などが出てきました!どれもめちゃくちゃおいしい!!!!
「オンシミ」というじゃがいものでんぷんで作ったお餅。一番おいしかったのは、トマトの漬物的なやつ。
おかずが多すぎて食べきれないほど出てきました!
コンドゥレごはんは特に味は無い←
ほんのり塩味?
ここにおかずを投入してビビンバ的にしてもよし、ご飯とそれぞれ食べてもよし、です。
お腹も膨れたので、アウラジのまちを散策しようと外に出ました。
が!大雨wwwww
さすが、雨女。ちーん。
とりあえず、傘を片手にまちを散策しに出ました。宿を出て1秒で大きな水たまりに足がつかり、びしょ濡れで散策←
まちを一周してみましたが、30分もあれば全体的に見て回れるくらい小さなまちでした。宿の裏手にある川に向かいます。
そこには、セーラームーンのステッキ的な月をモチーフにしたオブジェのある大きな橋が架かっていました。アウラジのシンボル的な場所です。
アウラジは、ふたつの川が合わさる(オウロジダ/어울러지다)という意味の地名だと言います。
その名前通り、大きな二つの川があり、
そこには石でできた橋が架かっています。
(この日は残念ながら川底にたまった石を取り除くメンテナンス工事中でした。)
雨が降っていたので、より雰囲気がありました。
ドゥルレッキルという散策路がありましたが、本当に川を一周するだけの道でしたwww
1時間あれば充分に回れる長さです。
みなさんご存知の「アリラン」という歌は、地域ごとにいろいろなアリランがあり、ここジョンソンは「ジョンソンアリラン」発祥の地ということで、それを説明するオブジェがありました。
ジョンソンアリランは悲しい愛をテーマにした歌ということで、川の反対岸には、男性のオブジェもありました。
少し写真を撮った後は、駅近くにあるカフェ「アウラジスリチュイトック」に行きました。
ここでは、餅作り体験ができるようで、別のチームがワイワイと体験をしていました^^
緑色の原料は、スリチュイ(수리취)という植物で、日本では「ヤマボクチ」という名前だそう。日本語でも、韓国語でも初めて聞いた植物ですが、「アザミとゴボウを足して、2で割った感じ」の植物だそうです。
出来上がったお餅をその場にいたお客さんみんなに一つずつおすそわけで頂きました!(なぜかカフェ全体で仲良くなる)
甘くなく、あんこも入っていません。スリチュイの香り?も特にありませんでした。
あたりも暗くなってきたし、足も冷たいしwで、とりあえず宿に一旦戻ります。お昼食べすぎたせいでお腹全然空かない!そして、田舎だからやることない!!!!
しかし何の問題もありません。「なにもしない」をしにきたので。
そして、帰る途中で、まちで唯一であろうコンビニ「CU」へ。
この田舎なので、もはや24時間ですらなさそうな雰囲気ですwww(もしかしたら24時間なのかもしれませんが。)
品ぞろえは必要最小限な感じですが、あるものはあるのでオールオッケー。
ビールとナッツを購入して宿へ。オンドルなので床があったかい。
ビールを飲みながらナッツをポリポリ。
Youtube見ながらダラダラしていたら、いつのまにか寝てましたwww
眠りから覚めたら21時。
ちょっぴりお腹が空いたので、まち←に繰り出す。
しかーし!
さすが田舎。
全部閉まってるwwwwwww
旅行に来たのに夜ご飯食べれないとかwwwwwww
チキンの匂いがしてたお店を通りがかりに発見し(完全に千と千尋の神隠しのお父さん・お母さんみたいな感じでしたw)、店に入るとテイクアウトならOKとのこと。20分くらい待って、やっと晩御飯にありつけました!!笑
前の日もチキンだったけど、今日もチキン!問題ありません。
韓国の国宝、ヤンニョムチキン。
韓国でチキンを食べたことが無い方は、是非とも一度食べていただきたい。
日本のからあげとは全く違います。サックサクの衣、あつあつ揚げたてのチキンは国宝級です。ここではバンバンチキンを注文。タレとノーマルのフライドの半々のチキンです。タレは、この店オリジナルのヤンニョム(タレ)のようで、とってもおいしかったです!!チキンを食べて、またYouTubeを見てだらだらして寝ました。
最☆高
次の日は朝、まったり起きて、隣の建物に朝ごはんを食べに行きました。
ベッバン(백반)という定食。
昨日のお昼と同じようなラインナップで、白ごはんと、テンジャンクク(味噌汁)がセットです。朝からたっぷり食べて、時間までは部屋でごろごろ。
駅前のオルムチカフェにも行きました。
アウラジ駅前 魚の形のオルムチカフェ
冒頭でも少し説明しましたが、オルムチは韓国の天然記念物の魚。
電車を改良した建物の中はカフェになっています。電車を待つ人たちが利用していました。
ここに来たら外せない! ジョンソンレールバイク
この日は滞在中、最初で最後の晴れ。
まずは旌善(ジョンソン)で外せないのは、廃線を利用した「レールバイク」です!!
こんな感じの乗り物です。☟
13:00に事前予約したレールバイクに乗るのですが、(予約はHPから事前予約必須。人気のため早めの予約が必要です。)
2人乗り 25000ウォン、4人乗り 35000ウォンです。
アウラジからの行き方は、前の時間に乗り終わったレールバイクを山に引き上げる電車(?)があるのですが、そこに人も乗車できるので、そのトロッコ列車のような電車に乗り、乗り場に向かいます。
乗り場までは20分くらいでしょうか?結構長い間乗っていたような気がします。乗ってすぐには、こんなにきれいな景色を見ることができます!
この景色が私はこの旅の中で一番印象に残りました。
乗り場に到着。
乗り場に着いたのは、14:45ごろ。
動物のオブジェ?の建物がなぜかたくさんあります。
レールバイクの乗り場は旧線の駅があった場所の為、お店はぽつぽつとですが、あります。
少し時間があったので、「ククス(麺)」のお店で軽めにお昼を食べることにしました。
カンウォンド名物の「コッドゥンチギククス」。
鼻打ち麺という意味のこの麺は、コシが強いためこう呼ばれたのははじめだそう。カンウォンドの名物です。さっぱりとした塩味のスープに、韓国かぼちゃ(エホバッ)、海苔がのってます。
軽めにお腹を満たしたら、ついにレイルバイク!!!
受付をして、レイルバイクに乗ります。
二人乗りと、四人乗りがあります。乗ったら、ベルトを締めるようにアナウンスがあります。自転車のブレーキにようなブレーキがあるので、前の車とぶつからないように必要は時には握ります。下まではおよそ40分。ゆるやかな下りなので、きつくありません。途中途中、昔ながらの民家がぽつぽつとあり、韓国の田舎を感じるには、最高です!!!
途中、前のレールバイクに乗っていたちびっこが靴を落としてしまい、アッパ(お父さん)が走ってレールを逆走するハプニングがwww後ろが詰まってはいましたが、みんな、ほほえましく待っていました☺️(お父さん&お母さんだけは気が気じゃない様子でしたがw)
下まで下り、アウラジ駅に到着です。
数分後にジョンソン方面行きの電車が来るので、それを待って、ジョンソン駅に向かうことに。
ちなみにこの列車、アウラジ→ジョンソンに向かう列車には、他には誰も乗っていなかったようで、乗務員の女性に話しかけられました。
前後、誰もいない!!
ジョンソンの旅
この日は、5日市(オイルジャン/오일장)といって、5のつく日に開かれる市場があったため、ジョンソン駅で降りて、市場へ。
天気がいいとやはり写真映えも良い!!!!!
ジョンソン駅前。駅から市場までは歩いて15分程度。
駅からまっすぐ行って、左です。←ざっくり
旌善五日市(ジョンソンオイルジャン)
市場に着くと、旌善中の人が集まったのかと思うくらい、ものすごい人でごった返してました。
姫にんにくの葉っぱの漬物。高級品です。
チョッパルという豚の豚足。
チヂミのお店に入ってみました。
モドゥムジョン(모듬전)というチヂミの盛り合わせを注文。
左の茶色いのは、「プクミ(뿌꾸미)」という名前もかわいい、もちもちしたチヂミ。中にはさつまいもあんが入っています。手前の白いのは、「白菜のじゃがいもチヂミ」、黄色いのは「とうもろこしのチヂミ」です。
一緒に飲んだのは、チヂミの親友(?)マッコリ!
韓国では、雨の日にチヂミとマッコリを食べます。諸説あるようですが、チヂミを焼く音が雨の降る音に似ているから、らしいです。この日は、せっかくなのでカンウォンド・アウラジで作られた「とうもろこしマッコリ」にしてみました。
市場をぐるっと見学したら、今度はまたのんびり歩いて、ジップワイヤーができる場所へ!
結構歩きます。30分位でしょうか。食べたので消化も兼ねて歩いて向かうことにしました。
旌善ジップワイヤー
韓半島に見える川?山?が見どころです。ここは足元までガラス張りの展望台があり、入場料は3000ウォンでした。
が、横に階段があるので、似たような景色が無料で見ることができます😂。
というわけで、私は階段からこの写真を撮りました。この日は風も強く、刺すような冷たい風が吹いていたので(体感温度マイナス20度)ジップワイヤーはまたの機会に乗ることにして、下山しました。
帰りは、またジョンソン駅からアリラン列車で乗り換えなしでソウルに5時間かけて戻ります。
ジョンソン駅はこんな感じ。
まとめ
ここで、ジョンソン・アウラジ旅行記は終了です :)
ソウルから乗換なしで列車で来ることが出来るので、ゆったりとした時間を楽しみたい方には本当にお勧めです!ジョンソンの雰囲気と、アウラジの雰囲気を楽しむだけなら、滞在時間は3時間~4時間だけになると思いますがソウルから日帰りも可能です。
帰ってきてからもずっとまた行きたい、と思うくらい本当に素敵な場所でした。旅行時期としては、春・秋が良いと思います。
今回宿泊した宿は、ネットでの予約が無いため、韓国語が出来ない方の個人での手配は難しいかも知れません。(旅行会社などを通してみてください。)
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